「あっ、この航空券安い!今度の休みは海外に行っちゃおう」
思い立って航空券を予約するあなた。
ところが最後の決済で金額を確認すると思ったよりも高額に・・・。
これは大抵「燃油サーチャージ」が加算されたせいです。
ただ燃油サーチャージって何?という方も多いかと思います。
なので本記事では航空券でかかる燃油サーチャージについて紹介します。
そもそも、燃油サーチャージとは何のお金なのか、どんな時にいくらかかるものなのかを紹介しますよー。
燃油サーチャージを理解すれば、お得に航空券代をおさえられます。
ぜひ参考にしてみてくださいね。
目次
国際線の飛行機は航空券代金以外に必要な費用がある
海外旅行に行くとなったら、たいていの方は飛行機に乗ります。
当たり前ですが、飛行機に乗るためのチケットが航空券です。
ところが海外に行くための航空券の場合、単純に航空券代金だけを払えば飛行機に乗れるというわけではないのです。少しややこしいですよね。
航空券代金以外に必要な費用は大きく分けて2つ。
・燃油サーチャージ
・空港使用料
・他諸税
空港利用料の方は何となく字面で用途が分かるかと思います。
問題は本記事のテーマでもある燃油サーチャージ。あまり見慣れない言葉ですよね。
これから燃油サーチャージについてわかりやすく説明していきます。
燃油サーチャージって何?
燃油サーチャージとは簡単にいうと燃料代金のことです。
バスや電車、国内便の飛行機のチケット代つまり運賃に、すでに燃料代や電気代が含まれています。国内便の場合は大きいことにはなりません。
しかし、海外へ飛ぶ飛行機は、他の乗り物よりも燃料を多く使い、さらにその燃料の価格が時期によって大きく変動します。
そこで運賃に加えて、燃料代金の値上がり分を利用者から払ってもらう仕組みになっているんです。
なので国際線の飛行機で航空券代が変動する理由の1つは、燃油サーチャージなのです。
ちなみに燃油サーチャージが導入されたのは2001年。
中東周辺の国際情勢が不安定になり、原油価格が高騰したことが導入のきっかけです。
燃油サーチャージが0円になる条件
燃油サーチャージは燃油の値上がり分の金額です。なので、燃油価格が一定の水準より安くなれば燃油サーチャージは掛かりません。
この燃油価格の水準とは、
シンガポールでの1バレルあたりの燃油(ケロシン)価格が2カ月平均したとき
の価格です。
豆知識ですが、アジアの国々の航空会社はシンガポールの市場で石油を取引しているため、燃油サーチャージの基準となるのはシンガポールでの価格なんです。
このシンガポール市場での1バレルあたりの燃油価格が日本円で6,000円を超えると燃油サーチャージを請求されることになります。逆に6,000円以下なら燃油サーチャージは掛かりません。
燃油サーチャージの算出方法
ここまで燃油サーチャージの基礎的なところは抑えられたかと思います。
次は、結局のところ、燃油サーチャージにいくら払うことになるのでしょうか。
燃油サーチャージは燃油価格が6,000円を超えたら一定額というわけではありません。段階的に増額していきます。また、行き先が遠ければ遠いほど高額になります。
大手日系エアラインのANAとJALは燃油サーチャージの一覧表を公開しているので、その一部をご紹介しましょう。
燃油適用額 | 6,000円台※ゾーンA | 7,000円台※ゾーンB | 8,000円台※ゾーンC | 9,000円台※ゾーンD | 10,000円台※ゾーンE |
---|---|---|---|---|---|
韓国・極東ロシア | 200円 | 300円 | 500円 | 1,000円 | 1,500円 |
中国・台湾・香港 | 500円 | 1,500円 | 2,500円 | 3,500円 | 4,500円 |
グアム・フィリピン・パラオ・ベトナム | 1,000円 | 2,000円 | 3,000円 | 4,000円 | 5,000円 |
タイ・シンガポール・マレーシア | 1,500円 | 3,000円 | 4,500円 | 6,500円 | 8,500円 |
インドネシア・インド・スリランカ・ハワイ | 2,000円 | 4,000円 | 6,000円 | 8,500円 | 11,000円 |
北米(ハワイ除く)・欧州・中東・オセアニア | 3,500円 | 7,000円 | 10,500円 | 14,000円 | 17,500円 |
※価格は片道当たり
燃油サーチャージを少しでも安くするには
航空券に含まれ、価格が増減する燃油サーチャージ。
少しでも安くできるような方法を3つ紹介します。
1. 航空券を買うタイミングを見極める
燃油価格は毎日変動するもの。かと言って燃油サーチャージが毎日変わるかというと、そこまで変更はありません。
燃油サーチャージは2カ月ごとの平均価格を出してゾーンを決定したのち、「◯月〜◯月に発券した航空券の燃油サーチャージゾーンは▲、金額は×円です」と公表されます。
具体的には
平均値算出対象期間 | 適用額発表時期 | 発券日 |
---|---|---|
12月~1月 | 2月中旬~下旬 | 4月~5月 |
2月~3月 | 4月中旬~下旬 | 6月~7月 |
4月~5月 | 6月中旬~下旬 | 8月~9月 |
6月~7月 | 8月中旬~下旬 | 10月~11月 |
8月~9月 | 10月中旬~下旬 | 12月~1月 |
10月~11月 | 12月中旬~下旬 | 2月~3月 |
ここで注意したいのは、燃油サーチャージの決定タイミングは利用日ではなく発券日=購入日ということ!
年末年始や大型連休に海外旅行を計画するときには、早め早めに航空券を予約する方も多くいますよね。
でも例えば、年末年始に旅行を計画しているとして、10月ころから航空券を取ろうとしていたとします。
上記の表を見ると、10月中旬~下旬には12月発券の燃油サーチャージがいくらなのかが発表される時期。
つまり、12月以降の燃油サーチャージが上がるのか、下がるのかを確認するべきなんです。早めに航空券を発券してしまうか、それとも12月まで待つのかという基準のひとつになります。
参考/大手航空会社の燃油サーチャージの推移
2018年8月発表:ゾーンD(発券日10月~11月)
2018年10月発表:ゾーンD(発券日12月~1月)
2018年12月発表:ゾーンE(発券日2月~3月)
2019年2月発表:ゾーンC(発券日4月~5月)
2019年4月発表予測:値上がり見込み
2016年ころには燃油サーチャージが撤廃、つまり無料だった時期もありました。
2. 燃油サーチャージがないLCCを使う
格安で飛行機に乗ることができために近年一気に人気を集めているLCC。
なんとLCCは会社によっては、そもそも燃油サーチャージを取っていないんです。
LCCの醍醐味でもありますね。いわゆる、レガシーキャリアといわれる大手航空会社にこだわりがないなら、LCCの利用を検討するのも一つの手。
ただしLCCによっては大手航空会社よりも高い燃油サーチャージを設定していることもあります。
最終的な航空券の内訳は必ず、チェックしましょう。
3. 燃油サーチャージ込みのツアー代金はお得?
旅行代理店が販売している海外旅行ツアーには、燃油サーチャージ込みのプランも多くあります。
燃油サーチャージ込みのツアーにはメリット・デメリットの両方あります。
まずメリットとして挙げられるのは燃油サーチャージの価格やどのタイミングで航空券を購入したらいいのか思い悩む必要がないこと。特に国際線に乗り慣れていない方ならこのメリットは大きいはず。
もちろん燃油サーチャージの値上がりタイミングにあたれば、普通に航空券を購入するよりお得になる可能性も十分にあります。
デメリットはその逆に、燃油サーチャージが安くなった時には普通に航空券を買うよりも高くついてしまう可能性もあること。また、キャンセル料は一般的にツアー総額の何%と定められています。
燃油サーチャージ込みのツアーは総じて燃油サーチャージを含まないツアーよりも高額です。つまり、万が一海外旅行をキャンセルするとなった時のキャンセル料も割高になってしまいます。
燃油サーチャージ込みの海外旅行ツアープランがいいのか、燃油サーチャージ別途のツアープランがいいのか、自分の状況や燃油サーチャージの推移予測を確認して、検討してみてください。
航空券を取るなら燃油サーチャージもチェック
以上、燃油サーチャージの基礎知識について詳しく解説しました。
アジア圏ならともかく、ヨーロッパやアメリカに行くとなると馬鹿にならないのが燃油サーチャージ。閑散期だと「航空券より燃油サーチャージの方が高かった・・・」なんて体験談もあるほどです。
少しでもお得に海外旅行をするためにも、本記事で燃油サーチャージのことを理解できたら幸いです。
良いタイミングで航空券を購入するようにしましょう。