海外旅行に行く際に加入するであろう海外旅行保険。
みなさんはちゃんと補償の項目について把握していますか?
どのような補償内容になっているのかよく知らないまま、「とりあえず入ったから安心」なんて人も多いんじゃないでしょうか。
というわけで、海外旅行保険の一般的な補償項目について、解説してみます。
今回は、最もお世話になる可能性が高い「携行品損害」に解説します。
目次
携行品損害とは?
携行品損害とは、海外旅行に持参した自分の所持品に何か損害が発生した際に支払われる保険金です。
携行品とは、自分の所有物のことを指します。
日本から持っていく荷物は全て携行品となるわけです。具体的には、スーツケースやバッグの入れ物から、壊れやすいであろうカメラ、スマートフォン、パソコン、その他の衣類、生活用品などですね。
そういった自分の携行品が旅行中に壊れたり盗まれてしまった際に、その商品の金額を補償してくれるものです。
海外旅行中に所持品に問題が発生した場合、もちろん原因によっては申請できないこともありますが、わかりやすい例でいうと、盗難や破損などは該当します。
よく多いのは、電子機器の破損ですね。
例えば、「混雑している観光地で人とぶつかってカメラやスマートフォンを落として傷がついてしまった」ようなケースも、補償の対象内になります。
スマートフォンを落として画面を割るなんて、けっこうな人が一度は経験したことありそうですが、海外旅行中であれば補償してくれるわけですね。
ようするに、とても使われやすい保険項目となります。
申請に必要な手続き、書類は?
さて、実際に所持品を盗難されたり、破損してしまったらどのように申請すればいいでしょうか。
基本的な手続き方法は
保険会社の窓口に連絡 → 必要書類を提出 → 保険金が支払われる
という流れになっています。
“盗難された場合”と”破損した場合”、それぞれで必要書類などが異なります。
場合分けして説明しますね。
携行品を盗難された(紛失した)場合
盗難のケースでは、盗難被害の調書が必要になります。
ようは、現地の警察に発行してもらう盗難証明書や事故証明書ですね。なので盗難被害にあった段階で現地の警察署に行って事情を説明して、盗難届を提出しなければなりません。
このように、提出書類に現地でなければ入手できない書類が含まれます。
現地の警察、すなわち言葉が通じない国での警察署に行くのはなかなかハードルが高いですが、主要な観光地の周辺では、旅行客の対応にも慣れている場合が多いです。
警察署でやること自体は、日本の紛失届と一緒で、失くしたものを申請する書類を書いてもらうだけなので、グーグル翻訳等の翻訳アプリを駆使すれば、なんとかなります。
泣き寝入りせず、トライしてみましょう。
この盗難証明書を入手したら、日本に帰国して海外旅行保険の電話窓口に連絡すると、保険金受取の手続きを教えてくれます。
携行品が壊れてしまった(破損した)場合
続いて、破損の場合です。
基本的に、現地で調達が必要な書類はありません。
そのため、日本に帰国してからの手続きとなります。
帰国後に、海外旅行保険の電話窓口に連絡すればOKです。
保険会社の窓口に連絡した後の流れ
保険会社の窓口に連絡すると、
細かく質問されます。
その後、「保険金申請書」というものが送られてきます。
この書類と合わせて、以下のような書類の提出を求められます。
- ・パスポートのコピー
- ・購入時の金額が分かる領収書
- ・盗難の場合 : 現地の盗難証明書
- ・破損の場合 : 様子がわかる写真
実際に提出するべき書類は電話した際に、細かく教えてくれます。
また、実際に所持品を修理した場合は、その修理の見積もりなどを合わせて提出することになります。
もちろん、全て必ず提出する必要はありません。
数年前に買った商品の場合、領収書なんて残ってないと思いますしね。ただ、書類が揃っている方が、保険金を満額で受け取れる可能性が高くなります。
こういった保険の申請には、報告期限があります。
帰国後3ヶ月が目安ですね。
ただ、うっかり忘れてしまうこともあるので、帰国後できるだけ早く報告しましょう。
受け取れる保険金はどれぐらい?
さて、実際にいくら保険金を受け取れるのでしょうか。
算出方法に、いくつかパターンがあります。
1.モノがなくなってしまった、完全に壊れてしまった場合
こちらは購入時の商品の金額をベースに算出されます。
ただし、購入時の商品金額を全額もらえることはほぼありません。
商品の使用年数を減価償却するためです。
商品が古くなれば古くなるほど、その価値は落ちますよね。型番の古い商品は値段が下がるのと一緒です。これを減価償却というのですが、これを加味した上で、戻ってくる保険金額が判断されます。
2.モノを修理した場合
修理すれば動く場合は、修理にかかった費用が対象となります。
商品の金額とは関係なく、修理費用をもとに算出されます。
この場合、修理の見積もり書や、支払明細書が必要となります。
自己負担は必ず必要
また、自己負担金というものがあります。
その名称の通り、自分で最低限負担しなければならない金額のことで、この自己負担金を差し引いた金額が保険金となります。
2,000〜3,000円がほとんどです。
上限がある
また、携行品損害には上限があります。
加入している旅行保険の「携行品損害」の補償金額がその上限であり、
注意してほしいのが、「1回の旅行中」であることです。1品ごとではない点ですね。
よくある保険金の支払い例
もちろん僕自身もこの携行品損害の保険申請をしたことがあります。
旅行中に壊れた所持品の修理費用の補償です。
よく聞くのは、スーツケースの破損。
海外の航空会社や空港のスタッフは、けっこう荷物の扱いが乱暴なので、頻繁に壊れます(壊れされます汗)。
・ハードスーツケースの底にひびが入った
・キャスターが転がらなくなった
・持ち手が引き出せなくなった
などは、あるあるのことですね。特にアメリカでは荷物の中の点検でスーツケースを無理やり開けられるというケースもあります。

空港の荷物受け取り時にスーツケースを受け取ったら、破損がないかどうか確認するといいかも。
続いて、電子機器の故障です。
海外旅行中はほとんどの人がカメラを持参しているかと思いますが、僕のケースでは、カメラのAFが効かなくなってしまい、その修理費用を申請しました。
また、友人のケースでは、防水機能つきデジタルカメラに浸水が発生して壊れたらしく、メーカーで修理不能とされたため、カメラの時価額が補償されたとのことです。
最近では、スマホの画面破損ですね。
これも携行品保障で対象なので、交換費用を補償してもらうことができます。
盗難には気をつけよう
補償はしてもらえるものの、盗難されるとテンションも下がりますからね。
カフェなどでちょっとトイレに行く際に荷物を置きっぱなしにして、席に戻ったら荷物がなくなっていたなんてこと、よくある話です。
盗難について行き先や個人の心がけによって確率を下げることができますが、実際に遭ってしまうと、対処方法を知らないと慌てることになりますので、概要は知っておきましょう。
まとめ
というわけで、海外旅行保険の携行品損害についてまとめてみました。
慣れない海外で、ちょっとした事故に巻き込まれてモノを破損したりなんてことはよくあります。また、大半の国が日本より治安が悪いので、ふとした時にモノを盗まれてしまうなんてことも。
それゆえ、携行品損害は旅行者に一番身近かつ起こり得ることだと思います。
実際、僕も2〜3度、この携行品損害の保険金申請をしています。
なお、今回ご紹介した内容は、あくまでも一般的な概要です。
実際には各保険会社によって細かい規定がありますので、必ず自分の契約する、もしくは所持しているクレジットカードに付帯している旅行保険の内容を確認してください。
また、実際に事故にあった際には、事故受付窓口で詳細を確認するようにしましょう。
今回紹介した携行品損害の他にも、主要な海外旅行保険の項目について、それぞれまとめました。

特に「傷害治療・疾病治療」は、海外旅行中に病気になったときに使うので、一読しておくことをオススメします!